八王子薬剤師会の紹介
■ごあいさつ
私は、八王子薬剤師会で理事を約20年間、副会長を10年間勤めてまいりました。その間至らない点は多々ございましたが、私なりに当会発展のために尽力してきたと思っています。直近の3年間、当会は新型コロナウイルス感染症ワクチン接種事業において率先して作業に当たり、八王子市や八王子市医師会からもその功績は高く評価されました。これは会員の皆様にご尽力していただいた結果であり、心より感謝を申し上げる次第です。その新型コロナウイルス感染症も本年5 月8日から感染症法の2類相当から、季節性インフルエンザなどと同様の5類に変更になり少しずつ元の社会に戻りつつありますが、まだまだ予断を許しません。
現在、国が6年ごとに作成する第７次医療計画が進行中で今年はその最終年に当たります。令和6年度は診療報酬(調剤報酬)、介護報酬および障害福祉サービス報酬のトリプル改定の年になります。当会を率いる会長としての責務は、国が策定する医療計画に則り、会務をしっかりと運営していくことが最重要課題と認識しております。厚労省が平成27年に「患者のための薬局ビジョン」(「門前」から「かかりつけ」そして「地域」へ)を発出しました。かかりつけ薬剤師・薬局が持つべき3つの機能、すなわち、「服薬情報の一元的・継続的把握」、「24時間対応・在宅対応」および「医療機関との連携」が明示されました。そして薬局業務は対物業務から対人業務へと大きな転換を求められました。かかりつけ薬局・薬剤師、健康サポート薬局、地域連携薬局および専門医療機関連携薬局などと国が求めている形態は年々変わってきます。その根幹は「地域包括ケアシステム」という方針に集約されていると思います。換言すれば現在、医療機関や薬局は「施設完結型医療」の時代が終わり、「地域完結型医療」の時代を迎えていると言うことが出来ると思います。私たち薬剤師は「個人プレー」ではなく「チーム医療」に積極的に参加する事が望まれています。
以上のことを踏まえて一般社団法人八王子薬剤師会は令和5年度事業計画のなかから、以下の5つのことに重点施策と位置づけ活動していきたいと思います。
一つ目として、薬剤師職能の向上の項目から薬局機能に関する認定の取得に向けた支援です。「地域連携薬局」取得のための、健康サポート薬局研修Ａ･Ｂの開催を計画・実現したいと思います。会員の中から1軒でも多くの地域連携薬局の許認可が得られるようにサポートしたいと思います。
二つ目として、地域医療への貢献の項目から災害対策として、災害時安否確認システムの促進に注力したいと思います。今までの災害訓練などの経験から、災害時に一番重要なことは情報伝達をいかにタイムリーに行えるかにかかっていると考えています。災害時の対応はもとより、平時の段階より会員同士が連絡を取り合える体制の構築に努めます。「チーム医療」を考えたときスムーズな連絡がとれる体制を確保していた方が良いと考えるからです。
三つ目として、医療ＤＸ(デジタルトランスフォメーション)化への対応です。今年の1月26日から電子処方箋の運用が開始されました。まだまだ発行枚数は多くはありませんが、今後急速に使用が促進される可能性があります。オンライン服薬指導など、その時に乗り遅れないように今のうちから対策を講じて行きたいと考えます。
四つ目として、本年9月に八王子市夜間救急診療所が南多摩病院に業務移管されます。このことを契機として今後、八王子薬剤師会主体または独自で24時間対応薬局を創設出来ないか、プロジェクトチームを編成し、検討して行きたいと考えています。国の第8次医療計画では強力に「24時間対応薬局」を要望しているため、時代のニーズに合わせた対策を講じたいと思います。
最後に五つ目として、「重複多剤服薬支援事業」に積極的に関わることです。昨年度までは東京都の事業が八王子に振り分けられて対応していましたが、その実績が認められ八王子市独自の事業として予算付けされたためです。八王子市民のためになる地域密着型の対策と言うことが出来ると思います。
以上、重点施策(項目)として掲げたことを中心として、またそれ以外の施策についても、チーム医療の一員として継続出来るよう、執行部役員全員一丸となって取り組む所存です。今後ともご理解ご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
令和5年6月
一般社団法人八王子薬剤師会
会長 新井 利男
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